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MACOの想い ― 声を取り戻すという選択 ―

プロの現場で、声を失いかけている人を何人も見てきました。
歌うことが好きで、真剣で、誰よりも努力してきた人たち。
それでも、喉が痛い。声が出ない。
そんな不安を抱えながらステージに立ち続ける姿を、私は忘れられません。

彼らはみんな、必死に探しているんです。
「この出し方なら楽になるかも」と、YouTubeを漁ったり、
誰かのボイトレを受けてみたり。
でも、どこか違う。自分に合わない。
そんなジプシーのような日々を繰り返しながら、
“もう自分でどうにかするしかない”と、心を閉ざしてしまう。

私は、そこにこそ本当の問題があると思っています。

高音を出すテクニックや、華やかな歌唱法は、
すでに彼らが持っている。
足りないのは、「声を出す」という行為そのものを
身体の根から見直すこと。

声は喉だけのものじゃない。
足の裏、背中、呼吸、意識──
すべてが繋がって、ようやく“本当の声”が鳴る。

高音を出すことよりも、
声を守ること。
その声で長く生きていけること。
それが、私の願いであり、この活動の原点です。

私は信じています。
声は、一度壊れかけても、再生できる。
そしてその再生は、
単に声を取り戻すことではなく、
その人自身の生き方を取り戻すことでもあります。

「声を守り、未来をつくる。」
その想いを胸に、私は今日もレッスンをしています。

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